独身時代から主人の家に遊びにいくと、
仕事から帰ってきたばかりなのに、トイレ、洗面所、時にはリビングまで、
まるで日中ずっと家にいたかのように電気が付けっぱなしのことが多かった。
その度に「電気消して出て行ったら?」というのだが、
「付けたり消したりした方が電気代安くなるらしいよ」とほんとか嘘かわからないような情報でその場を切り抜ける主人。
その時は結婚もしていなかったし、私は実家暮らしだったので、「へぇ、そんなもんなのか」と軽く流していた。
しかし、いざ結婚してみると、こういう些細なことって結構気になる。
しかも毎日のことだからなおさらだ。
それとなく、気づいたときには「トイレの電気また付けっぱなしだったよ!(ちょっとふざけたような口調で)」と注意していたのだが、
ある日、子供の食事がなかなか終わらずイライラしていた私は、ついキレてしまった。
私「あのさぁ、何回言われればなおせるわけ?!子供かよ!子供だってこんだけ毎日言われてればできるようになるわ!」
主人「え、あ…ごめん」
私「いやいや、ごめんで済むなら警察いらないって。もはや頭やばいんじゃない?ぼけちゃってんじゃないの?」
もう、ドラマかよ、みたいな台詞。
いつもなら喧嘩しても、おれてくれる主人。
しかしこの日はそうはいかなかった。
主人「しょうがないじゃん!忘れちゃうんだよ!!」
私「…は?」
驚くほど前向きに開きなおってきた主人にあっけにとられた。
私「何開き直ってんの?」
主人「だってそれが事実なんだからしかたないじゃん」
正直「しかたない」の意味がさっぱりわからなかった。
私「いや、事実だからとか開き直ってる場合じゃなくて、気を付けてっていってんだけど」
主人「わかってるよ!でもそんな怒んなくていいじゃん、電気くらいで」
この「電気くらいで」が火に油を注いだ。
私「あのさ、電気くらいでっていうけどさ、電気だけじゃないからね忘れての。息子にご飯あげるときだってお茶出すの忘れてるよね?娘のオムツ替えるときにおしりふき使ってふた閉め忘れてるよね?かぴかぴになって使えなくなってんだよ。フライパンの魚焼いといてっていえば、火消し忘れたりしてるよね?たかが電気っていうけど、他にも忘れてることいっぱいあんだよ!!!!!!!(怒)」
私、爆発。今まで言わずに我慢してたものが全部口からでてきた。
主人「…きをつけます」
思い当たる節がありすぎたのか、さっきまで開き直って声を張っていた主人が急にしゅんとした。
結局この喧嘩は彼のその一言で幕を閉じたわけだが、
私は「だから最初からそういえよ」なもやもやでいっぱいだった。
[女性、26歳、結婚3年目]
*この記事は有志の方によるものです。
写真:PAKUTASO(pakutaso.com)