ある晴れた土曜日のことです。
朝から溜まっていた家事を片付け、一駅先までウォーキングしてショッピングセンターでのんびりと過ごし、書店に併設されている静かなカフェでおひとり様ランチをしてから、また歩いて家に帰りました。
すると、なんと仕事に行っているはずの夫が、リビングに座っているではありませんか。
私「どうしたの? なんで家にいるの?」
夫「家にいたら悪いか? 俺の家だ!!」
なんだかずいぶん苛立っているようです。
私「だって今日は土曜日でしょう? いつもなら夕方まで帰らないはずなのに。」
夫「ああ、今日は土曜日か。でも、月に一度の半日休みが今日になっただけなんだよ!」
月曜から土曜までの勤務なので、時々半日のお休みになることは知っていましたが、それがいつかなのかは、これまで具体的に聞いていませんでした。
共働きですから聞いてもあまり意味がありませんし、夫も自由にしたい時間がほしいだろうと思っていたからです。
私「それは知らなくてすみませんでした。」
夫「で、なんだ? 昼ごはんはどうしたんだ?」
一人でカフェでゆったりとねー、とはさすがに言えませんでしたが、書店に寄ったついでにカフェで軽くいただいてきたことを正直に話しました。
夫「どういうことなんだよそれは!! 一人で外食してきたってことかよ!!」
一人で外食して、何が悪いのでしょうか。
夫「俺はずっと帰ってくるのを待っていたんだよ!」
時計はもう14時を回っています。そんなにお昼ごはんを待たせたことは、確かに申し訳ないですけれど、でも勝手に待たれても返事のしようがありません。
私「子供じゃないんだから、冷蔵庫のもので何か作るとか、コンビニで買ってくるとかすればよかったのに。」
夫「こんなに待たせておいて、自分だけ食べてきておいて、そんなことよく言えるなぁぁぁ!!!」
どうやら、火に油を注いでしまったようです。
夫「だいたい、何度も電話したのに、なんで無視するんだよ!」
私「どこに電話したの?」
夫「携帯に決まってるだろ!」
なるほど。私の携帯電話は、休日は基本的に家に置いたままですから、出られるわけがありません。
平日は仕事で携帯電話に縛られている分、休日は解放されたくて、なるべく家に置いておくことにしているのです。
私「土曜日だから、携帯は家に置いていました。」
夫「は!? どういうこと? 携帯を家においてた? 何で?」
私「休みの日は携帯に縛られたくないからです」
夫「はああああ!? だって携帯だよ!? ケ・イ・タ・イ・電話、だよ!?」
それはその通りなのですが・・・。
私「携帯電話は、携帯できる電話ということであって、携帯しなくてはいけない決まりではないでしょう。」
夫「じゃあ、何のために携帯持っているんだよ!」
私「仕事などで必要があるからです。」
夫「何かあったとき、どうするんだよ!」
私「何かって、何ですか?」
夫「大きな地震とか、家に電話があったとか!」
私「そんな、いつあるかわからない何かのために、わざわざ携帯を持ち歩きたくありません。」
夫「じゃあ、仕事のとき以外は携帯持たないつもりかよ!」
私「・・・出かけるときに携帯を持つか持たないかは、私が、自分で決めます!!」
私がそう高らかに宣言すると、怒りがおさまらない夫は、黙って家を飛び出していきました。
きっと、遅いお昼ごはんでも食べに行ったのでしょう。
携帯電話は携帯すべきかどうか。それは時と場合によって、使う本人が決めればよいことです。
でも、空腹時の夫の脳は、そんなこともわからなくなるのだと学んだのでした。
女性44歳 結婚15年
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