付き合っている彼女がファンをしているミュージシャンに一人で行くのでコンサートチケットを予約することになりました。彼女はあまりコンサートチケットを自分で買ったことがないのですが、そのミュージシャンは特に好きなので行きたいと言っていました。
今思えば自分には関係ないことなので本人が自分で電話するなりチケットサイトに会員登録するなりして自分ですればあんな問題にはならなかったのですが、自分が他のミュージシャンのチケットを良く買っていてチケットサイトの会員でもあるので代わりに抽選申し込みをしてあげました。
しばらく経って無事チケット抽選に当選したことを伝えると彼女は「ありがとう!ありがとう!」と飛び跳ねて喜んだので僕も満足していました。
チケットを発券すると、席番号は殆ど東京ドーム2階席の一番後ろのほうでしたが、自分の感覚では人気アーティストなので当選しただけでも御の字だろうと思ったので普通に彼女にチケットを「よかったね。楽しんできてね。」と渡しました。
ところが、チケットを目にした途端彼女の表情は明らかに怒りに燃え始めました。「これ?何?」
「何って?もしかしてオレ日付間違った?」
「この番号、一番後ろじゃないの?」
「いや、もっと後ろの席もあるよ。東京ドームだからスクリーンもあるし。」
「役立たず!あんたが早くコンビニで発券手続きしないから席が悪くなったんでしょう?」
「いやいや、当選した時点で席は抽選で決まってるし、発券の時期は関係ないから…。」
「言い訳しないで!役立たず!私の為にチケットを取るのが面倒でやる気がないなら最初から言ってよ!うそつき!できないことを勝手に出来るとか言われて、遠くからコンサートを見なきゃいけないのはあんたじゃなくてあたしなのよ!」とかもう言ってることがめちゃくちゃです。
チケットサイトは登録無料、有名アーティストのコンサートは当選するだけでも幸運、抽選時点で席番号が決まっているのであとはいつ発券しても席番号は同じ、というのはチケットを買ったことがある人なら常識だし、自分で出来ることを彼氏の自分に任せておいて席番号に文句を言うとかわがまま以外の何物でもないのですが、結局それからしばらく彼女とは音信普通になってしまいました。
このままではヤバイと思った自分はネットオークションで同じ日の良席チケットを定価の2倍で落札して、「お前のチケットを友達と交換してもらえることになったから。」と連絡してめちゃくちゃ不本意ながら、「自分のくじ運が悪いことでチケットの席番が悪くなった。すみません。」と言って責任を取って事態の収拾をしました。もちろん追加のチケット代は自腹です。
鬼嫁どころの話ではありません。
[男性、29歳、付き合って1年]
写真:Photo-AC(photo-ac.com)