夫は誰に対しても物腰が柔らかく、悪く言えば八方美人で「ノー」が言えないお人好しなタイプ。
普通に断ったらいいじゃん!という仕事上のささいな依頼も、できれば断らず受けてしまった方が楽なようで、「どう言って断ればいいと思う?」と、私にもよく相談してきます。
ある日、夫の会社の後輩のなかに、接客業なのに仕事へのモチベーションが下がっているのか露骨にやる気のない顔をして現場に立っている男の子がいて、他の社員たちからたしなめられていましたが、なかなか指導が功を奏さず、現場責任者である夫に彼を本格的に指導するようにと、会社本部からお達しがありました。
夫はたとえ後輩だろうと、誰かを叱ったり指導したりという、いわゆる嫌われ役になるというか、強い態度に出るのが億劫なのか、なかなか行動に起こそうとしませんでした。
私が「気が重いのはわかるけどさ、本部からの命令なら、早めにやったほうがいいんじゃないの?」と言うと、夫は「やる気がないなら第三者が何言っても仕方ないと思うんだよなー…」と言って、何とかこの問題が過ぎ去るのを待っている感じ。
私「後輩を指導するのも仕事の一部でしょ。普段八方美人で優しい雰囲気のアンタが、いきなりどなっちゃえば効果てきめんじゃないの?」
夫「あのなぁ…。簡単に言うなよ!!こっちは毎日いろんなやつらから頼まれる理不尽な仕事をこなすので、いっぱいいっぱいなんだよ!!」
…私に言った事をそのまま職場で言えば解決するんじゃないですか??
そんな感じで、内心ストレスいっぱいな様子の夫ですが、周りから「嫌われたくない」という思いはガンコなようで…。
ある時、夫が打ち込んでいる趣味のイベントが仕事のシフトと重なり、どうしても休みを他の社員と代わってほしいというときがありました。
私「話しやすい人に正直に事情を話して、代わってもらうしかないんじゃない?」
夫「ああ、もうその話はいいから。解決したから」
私「なんて説明してシフト代わってもらったの?」
夫「まぁ、うん。『嫁が腹を壊してて、病院に付き添うことになったから』、って」
私「はぁ!?私を理由にしたわけ?」
夫「趣味で遊びに行きたいからとか、説明できるわけないだろ?別におまえが俺の職場に顔だすわけじゃあるまいし」
私「そういう問題じゃなくて…。何か私が夫の足を引っ張る、職場の人たちには迷惑な奥さんみたいじゃん!」
夫「考え過ぎだって(笑)」
私「勝手に病人にされたら気分悪いって言ってんだよ!!」
その後も、夫が休みたい時にはたびたび私は病人にされて、夫は『妻の面倒を見る献身的なダンナ』にされたのでした…。
女性34歳 結婚10年
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