折り紙で降りてきた

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私達は、息子と3人、マレーシアで生活しています。
日本とは違い、何でも適当で、些細な事は、あまり気にしないお国柄です。
息子は、インターナショナル幼稚園へ通っていますが、その幼稚園も日本のようにきっちりとはしていません。

その幼稚園で、息子のお誕生日会を開いてくれたときのことです。
想定内ではあったのですが、前日、息子を幼稚園へ迎えに行ったタイミングで、先生は、ニコニコしながら「明日、○○(息子)のバースデーパーティをします。」
私、その時点で、絶句。
何故ならば、この国では、主役がケーキと全員分のプレゼントを用意して配る習慣があるのです。

しかも、タイミング悪く、その前日に、私は、体調を壊し、38度の熱を出していました。
まだ、下がりきらない熱の身体で、近所のケーキ屋さんに駆け込むも、やはり日本のようにはいかず、「明日の予約は、もう受けられない。」と断られ、泣く泣く、タクシーを飛ばし、少し離れたショッピングセンターへ向かいました。
ケーキと、バラマキ系のおもちゃ、お菓子、ラッピング用品、そして折り紙を買い揃え、フラフラしながら帰宅しました。

その後、息子を寝かしつけ、プレゼントのラッピング用に、夜な夜な、折り紙で、手裏剣を折ったのです。
当時、まだ、入園したばかりで、幼稚園にあまり馴染めていない息子を喜ばせようと、必死でした。
日本人である息子のことを、少しでもクラスメイトに知ってもらいたいという気持ちもありました。
今、思えば、頑張り過ぎた、そんなに力を入れる必要はなかったとは思っています。
そこへ帰宅した夫に、手裏剣作りを手伝ってもらうことにしました。
数学者である私の夫、以前から、頭の構造がどこかおかしいとは感じていました。
二人で、無言で、折り紙を折る事数分。
夫「あっ。」
私「どうしたの。」
夫「何か降りてきた。」
私「は。」
夫「今まで解けなかった数式が、解けるかもしれない。ちょっと、話しかけないで。」
私 (カッチーン)

その後、夫は、無言で、ひたすら折り紙を折りまくりました。
人数分の手裏剣作りが終わっても、「このまま無心で折り紙を折っていたら、もっと降りてくるかもしれない。」と。
体調の悪い私は、イライラしつつも、呆れかえってしまい、もう文句を言う気にもなれず。

翌日、私は、再度、寝込んでしまいました。
一方、夫は、大量の折り紙を購入してきました。
その後、結局、降りてきたのかどうか、分かりませんが、息子が喜んでくれたので、全てを水に流そうと思います。
[女性、35歳、結婚8年]
*この記事は有志の方によるものです。

写真:PAKUTASO(pakutaso.com)

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